鎭物（しずめもの）

 

地鎮祭のとき

神主様からお施主様へ渡された

「鎭物（しずめもの）」です。

これを家が建つ予定地の中心の地面（基礎の下）に埋めます。

地（土地）を鎮める祭りを執り行い、

土地の神様へ、捧げものを奉納（埋める）する。

なんと1000年以上前の日本にもこういったことをした

記録があるそうです。

そのとき以来、連綿と受け継がれ、今に至る。

多少かたちを変えたかもしれませんが残っている風習、しきたりなのです。

我々工事関係者は、普段当たり前のように神主様からこの鎮物をいただき、

当たり前のように基礎の下へ埋めていますが、

古来日本人の信仰心からくる「風習」なのですね。

その昔、この鎭物の上は

石積みや無垢の木材でできた、例えば社などの建物であったであろうと思いますが、

現代は、鉄筋コンクリートや、エンジニアリングウッドで出来た構造体に、

太陽光発電や、様々な省エネ設備、情報機器の詰まった建物がのっています。

「上物」は変わっても、信仰は変わらないのは

興味深いし、面白いですね。

「魂」や「こころ」を大事にする

日本人ならではでしょうか。

これからもこの「ならわし」は、残っていくのでしょうか？

残っていって欲しいですね。

この地鎮祭と鎭物を埋める行為は

我々工事をする者にとって

本来の意味である土地の神様への畏敬の念だけでなく

お施主様へ、これからしっかりした建物を造ってお渡しするという

新たな誓いのような気持ちをも抱かせるものであります。